『ベートーヴェン交響曲第7番』・・・聴きまくり

さぁ、年始恒例(←うそ)交響曲聴きまくり! 

今年は、『ベートーヴェン交響曲第7番』です。

この曲は、トロンボーンの出番が全くないので、あまり興味がありません。

好きは好きです。無論、大好きですが、モーツァルトと同じような存在で

トロンボーンの無い古い時代の曲というイメージが、僕には根強くあります。

視聴環境

CDプレーヤー   :PHILIPS LHH-700 

プリメインアンプ:JEFF ROWLAND  Concentra

スピーカー   :Dali Grand

ちなみに、上からオランダ人、アメリカ人、デンマーク人です。

さて、棚からすべての7番を引っ張り出すと、思いのほかありました。・・・7種類。

全集が、3種。単買が4枚です。指揮者は一人もかぶりません。

 

オーケストラは、知名度順に、

VPO(ウィーンフィル)が4枚

コロンビア交響楽団

大阪交響楽団

ルガノ放送管弦楽団が各一枚です。

どれだけ、ウィーンフィルが好きなんでしょうか?

 

指揮者別には、

ウィルムヘルム・フルトヴェングラー 1950

ブルーノ・ワルター 1958

ヘルマン・シェルヘン 1965(ライブ)

カール・ベーム 1972

カルロス・クライバー 1975

レナード・バーンスタイン 1978(ライブ)

朝比奈 隆 1992(ライブ) です。

・・・男ばっかりです。当たり前です。

 

 収集癖を分析すると、

1980年以降のデジタル録音が1種のみと寂しく、VPOが4枚と偏り(それも3枚は70年代)、

ライブ盤が3枚・・・こんな感じでしょうか。

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朝比奈隆を筆頭に、時計順で聴いてみました。

批評目的でなく楽しんで視聴しているので批評は、シンプルです。

  

  ●朝比奈盤  大阪フィルハーモニー 1992 ベルリンライブ

日本のオケ、しかもライブというハンデを感じさせません。

録音時84歳。ベルリンでの一発ライブですが流石です。

録音がいいのでしょうか、オケの分厚さ、厚み(一緒か?!)VPOに負けてません。

軽やかだったり、流麗ではないです。熱く、厚く、太い演奏です。

何しろこの盤の特徴は、『オケの厚み』につきます。

 

  ●ヘルマン・シェルヘン ルガノ放送管弦楽団 1965 ルガノライブ

変人シェルヘンの演奏。第九などと比べると非常に普通な演奏。

テンポは速めで颯爽としていますが、時折何かにとりつかれたように神様が降りてきます。

ライブらしい、シェルヘンらしい、朝比奈とは違う、暑い、熱い演奏です。

この盤の特徴は、『熱い』です。

 

  ●カール・ベーム  VPO  1972  ウィーン

ベームって『カール君』だったんですね・・・

まったくもって嫌なところのない、嫌味のない模範演奏。

VPOの音色に助けられてか、なんと響きの素晴らしいいこと。

セッション録音だけれども、4楽章とかはさすがに熱くなります。

1枚だけなら、普遍演奏のこの1枚か?

この盤の特徴は、『何も足さない、何も引かない』です。

 

  ●ウィルムヘルム・フルトヴェングラー VPO 1950  ウィーン

何しろ音が悪い。もう65年も前の演奏。年末フルトヴェングラーの第九を聴いた時にも思ったが、

いかんせん、もう古すぎる。

いい演奏なのだろうけど、デジタル録音と比べるにはいささか厳しい。

メンゲルベルグ、トスカニーニフルトヴェングラーと三人での盤比較ならいいけれど・・・・

ごめんなさい。

この盤の特徴は、『古すぎる』です。

 

  ●ブルーノ・ワルター コロンビア交響楽団 1958 カリフォルニア

 ワルターというと慈悲深い、暖かいなどと形容され、 柔らかな曲が得意という印象があります。

いやいや、なかなかいいです。録音も悪くないです。

どちらかというと朝比奈に似たアプローチで熱狂というよりは、

純粋に交響曲として演奏を繰り広げています。

ワーグナーがなんと(舞踏の聖化)言おうが関係ないようです。

聞いていて全く嫌味のない純音楽という感じ。

えぐりが効かないかといえばそうでもなく、聴き終えて不満はないです。

この盤の特徴は、『暖かい』です。

 

  ●カルロス・クライバー  VPO  1975 ウィーン

さぁ、カルロスです。期待してます。

しかし、のっけからベームバーンスタイン盤と全く同じVPOの音・響きがします。

’78、’75、’78と録音年代が近く同じ譜面でしょう。響きが本当に似ている。

カルロスよりもVPOの個性の方が上回ってる感じです。

結局、オケをドライヴ出来ずじまいか?

カルロスならば、もっといい演奏ができるはず。

期待大だったかなぁ・・・

この晩の特徴は、『まさにVPO』です。

 

  ●レナード・バーンスタイン  VPO  1978  ウィーンライブ

また、VPOの同じ響きがします。

もしかして、今更ですが、これって、ムジークフェラインザールの響きを

聴いてるだけなのかもしれません。

演奏も、1、4楽章最後の和音を少しためるので、バーンスタインらしいと

いえば そうなります。ベームとかは、あっさりなので。

タイム的には遅い演奏ですが、あまり遅さは感じられません。

カルロスと同じで、まだ、バーンスタインがVPOをコントロールできていないのかもしれません。

この盤の特徴は、『再録してほしかった』です。

 

総じて、VPO盤は、ベームの呪縛を逃れられません。

ラトル/VPOの新盤を聴いてみたい気がします。

ライブでもセッションでも燃え上がりやすいこの曲だからか

ライブのアドバンテージはあまり感じられません。

全部聴いたあとに、もう一度聴きたいと思ったのは朝比奈盤でした。

結局、2回聴いたのは、バーンスタイン、朝比奈盤。

2回目聴いて思ったのは、朝比奈盤の特徴は、テンポも音色も安定してて格調が高い。

 

流して聞いていても、なぜか耳に入ってくるそんな演奏です。

 

 

それは、演奏家の『魂』なのだと思います。

 

 

その魂は、マイクを通してCDには、入りづらいものです。

84歳の朝比奈のもと、ベルリンでのライブということもあり、

大阪フィルが燃えに燃えているのでしょう。

 

そうなると、VPOもBPOCSOBSOも関係ないです。

総勢70名強のプロの奏者が魂こめて演奏したら、それはえらいことになります。

 

 

朝比奈と大阪フィルの魂の勝利でした。

しかし、いい曲です。

素晴らしい。

 

 

                  続く     2015・1・3

 

 

 追伸: あけましておめでとうございます。