ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団2015日本公演 2015.11.4 独奏 諏訪内晶子   in サントリーホール

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素晴らしい!

素晴らしい。

素晴らしい。

それしか出てこない。

必要のない音符など、ただの一つもない。

すべての音符に、意味があり、

すべての音符に、意義がある。

NHKの放送予定がありテレビ収録される、

自分たちのオーケストラが日本で全国放送される。

しかも、国営放送で・・・・・

 

そりゃぁ、燃えるだろう!!

 

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しかも、オープニングで感動したのは、

本ベルの後の団員登壇の際、

すべての団員が、

否、

最後のコンマスが登場するまで

みな、ステージ前方を見、

しかも、誇らしげに、

胸を張り、

おらがオーケストラを自慢するかのように、

微笑ましく、

しかも、確固たる自信を持って

 

みなそろって挨拶をしてくれました。

 

涙が出そうでした。

 

素晴らしい。

 

どんな音楽を聴かせて暮れるのか、

 

どんな、感動を味あわせてくれるのか、

 

その凛とした、オーケストラとしての

しつけの良さから

期待は高まりました。

 

この異国の地で、演奏できる喜び、

 

白夜の自国から、遥か東の日いづる国までやってきての演奏。

 

日本人奏者も数人いて、誇らしげな凱旋帰国。

 

 

しかし、儒教の教えを祖とするこの国、日本でそのような

 

つつましやかな礼儀を教わるとは・・・・

 

おみそれしました。

 

フィンランド・・・・・素敵なお国柄なんだろう。

 

そして素晴らしい人柄がしのばれる。

 

はっきり言う。

 

諏訪内晶子シベリウスのVn協奏曲を聴きに来た。

 

ハンヌも、知らないし、リントゥも知らない。

フィンランド放送交響楽団は、フィンランドのオケだって読めば字でわかる。

 

そんな程度。

 

のっけの、登壇でのしつけの良さに度肝を抜かれ、

 

 

そして

1曲目の『フィンランディア

 

弦から、血がしたたり落ちてきました。

今まさに、生まれ出す音楽たち、音符たち、

 

リントゥはといえば、高校生になって急に背が伸びて、ジャケットが

 

少し小さくて窮屈な感じ。

 

指揮姿も子供が、本気でなたで竹を割ってる!  そんな感じ。

 

決して、クライバーのように流麗でもなく、

 

小林研一郎のように唸って燃えたぎるわけでもなく、

 

クソパーヴォ・ヤルヴィのように凍りのように醒めたつまらない指揮姿でもない。

 

まさに子供が一所懸命に竹刀を振ってる!  そんな感じ。

 

どこからそんな熱い音楽が出てくるのか、皆目見当がつかない。

お金渡してるのか?

みんな、リントゥのパトロンなのか?

 

いやいや、みんな、音楽が大好きなのだ!

 

シベリウスが大好きで、

 

日本のことも大好き!

 

国営放送の収録で気合いは入ってるけど、

終演後の焼き鳥のほうが気になるはず!!

 

みんな、そんな、アマチュアに近い、初初しい音楽を醸し出してくれました。

 

確かにプロの仕事である、

 

しかし、そこにはパーヴォとコンビ組んだNHKなんとかのように、

 

仕事を今日もこなすというルーチンワーク的な、

 

『おざなり』な行為は一切ない!

 

マチュアオケが、

創立5年で初めて第九を、

 

演奏できる喜びに満ち満ちたそんな演奏。

 

前にも書いたよ!

今ここで演奏できる喜び!

下手だよ!

音程悪いよ!、

でも、

でも、

音楽は生きている、

感動は伝わってくる。

なぜか、

なぜか、

なぜか、

そこには、

お金の世界にはあり得ない、

 

奉仕の精神にも似た

 

作曲家に対しての愛情ってものが・・・・・

 

そして、

そして、

 

こどものような

一所懸命さ!

 

 

何しろ、弦が素晴らしい!!

 

朗々としてうたい、

まさに、巨大なヴァイオリン一丁で弾いてるかのような、

幾分の狂いもない、

 

すべてそろった音程、

音符、

音色。

 

そして、渋い北欧を思わせる管楽器の音色。

 

フィンランディア』だけ聴けば、もうおなか一杯。

 

序曲から、大拍手。

 

いやぁ、日本人も捨てたもんじゃないね。

この素晴らしさが、わかるのね!

 

ここには、クソパーヴォ・ヤルヴィの演奏会で

ブラヴォーする輩なんざ、いないんだろうな! へっ!

 

2曲目

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲

 

諏訪内晶子さん登場!

 

漆黒のドレスで

 

喪服?

未亡人?

色っぽい言葉がよぎります。

 

ソロの入る直前、

 

冒頭の弦のトレモロ

 

最高!

 

素晴らしい!!

 

もう一回やって!!

 

いや、まさに入魂のシベリウスでした。

 

諏訪内さん本人、入念な準備がされて、

 

当日の体調管理も万全。

 

オケのサポートもこれまた万全。

 

1楽章の何とも素晴らしいこと。

2楽章の叙情楽章もさることながら、

終楽章の熱のこもった、オケとソリスト

 

一体感!

 

神尾真由子のクソヴァイオリンとは程遠い、

 

サントリーホールを充満させる音量!

素晴らしい音楽性!

 

魅了する音色!

キスしたくなる美貌!

触りたくなる色気!

 

そう色気、ムンムン!

 

・・・・?

ごめんなさい。音楽の話に戻ります。

 

CDよりも少しテンポが遅く、

それによって音楽がよりわかりやすく

渋くなってました。

宇野功芳の以前の手厳しい批評が、

今の諏訪内さんには、

全くの杞憂であることここに確信しました。

 

アンコールこそなかったものの、

 

満足、満足!

 

すべてが満足、

すべてが素晴らしい、

 

何がいいんだろう?

 

その要因は?

 

RB席の一番前、オケ目の前。

 

¥13000円なり。

 奮発したからな・・・・

 

体調・・・・寝不足気味

精神状態・・・明らかにハイ

・・・・聴く側の状況はいたって普通。まぁいい状態。

 

観客全員が、集中して一音とも聴き逃さぬように少し前かがみになっている。

そういう雰囲気が、ホール全体を覆っている。

 

20分の休憩

 

トイレ激混み。

 

ラストプログラム

 

交響曲第二番・・・・

 

弦すごい!!!

 

素晴らしい!!

 

特にヴァイオリン!!

ここよりも、旨いオケはたくさんある!

 

しかし、

切って出してるこの音楽!

 

この音符!!

 

生きてるよ!

 

 

活きてるよ!

 

まさにいきてる!

 

交響曲二番て、こんなに良い曲だったっけ?

 

 

1、2楽章が出色の出来でした。

 

4楽章ももちろんいいのだけれど、作品自体の出来が、1、2のほうが上かと思います。.

 

 

 『その曲自体の持つ魅力を伝える。

 

その行為自体が演奏家

         最上の行為である』

 

ハンヌリントゥ恐るべし。

 

恐るべし子供だ!

 

拍手鳴りやまず、アンコールはリントゥ自らしゃべり、

 

オールシベリウスプログラムですから、アンコールもそのように・・・と

 

ベルシャザールの饗宴よりノクターン

 

フルートソロ大活躍でした。

 

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あれだけのソロを、シベ2の後に吹く・・・・信じられない。

 

中国の方かと思ってたら、こやまゆうきという日本の方でした。

 

 

 

突然ですが、

トランペットのさくらぎあつこさん!

かわいい!!

大好き!

フィンランドで頑張ってね!!

 

本当に、拍手鳴りやまず、2曲目のアンコール

 

『レンミンカイネン組曲』 から「レンミンカイネンの帰郷」

 

やわらかさと派手さを持つ魅力あるアンコールでした。

 

最後まで、弦の魅力衰えず、立派でした。

 

団員たちは一部ハグして健闘をたたえ合ってました。

 

テレビ収録の為か入念なアナウンスがあったとはいえ、

(最後の一音を聴いてください。タクトが降りるまで拍手はご遠慮ください・・・と)

 

最後のピアニッシモが鳴りやんで、リントゥの指揮棒を持たない手が下りて・・・

 

数秒・・・・

 

東京の聴衆のレベルの高さを知らしめんがため・・・

 

いやいやまだまだ、日本人も捨てたもんじゃないな!!

 

数秒ののち、大拍手!!!

 

その数秒の心臓の高鳴り・・・

 

しかし、それでも拍手鳴りやまず、

もうスタッフが、楽器片づけはじめてるのにもかかわらず、

 

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恐るべし子供『ハンヌ・リントゥ』登場!!

 

これには、

スタンディングオベーション!!

お疲れだろうから、早く休んで、一杯呑んで!という気持ちと、

 

まだまだ感謝の気持ちが納まらない。

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 手がちぎれても、拍手したい!

否、

手がちぎれても、拍手し続けたい!

 

そんな複雑な、感極まった心情でした。

 

帰り赤坂の坂を、登って、

 

いつもだったら、気になって仕方がないおいしそうな呑み屋に目もくれず、

 

一人、ぶつぶつ、『素晴らしかった!』

 

本当に『素晴らしかった!』

 

『素晴らしかった!

    この言葉以外見つからない!』

 

とぶつぶつと

 

また一つ素敵な思い出をあたえてくれたサントリーホール

  

感謝の言葉を告げて、踵を返しました。

 

 

素敵な音楽を

ありがとう!

ハンヌ・リントゥ! 

 

君は永遠の音楽少年だ!!

 

トランペット奏者の さくらぎあつこさんにお願い

大好きなリントゥ少年に訳して話してやってください。お願いします。

 

 

 

 

 

後日談

さくらぎあつこさんと連絡が取れて

ハンヌ・リントゥ先生にお礼を言ってください。

とお願いしたところ、

しっかり伝えておきますと、

すてきなお返しのメールが届きました。

さくらぎあつこさんありがとう。

 

そしてフィンランドで頑張って。

 

続く                            2015.11.4