諏訪内晶子素晴らしい! チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35 ヴァイオリン:諏訪内晶子 ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 2016年5月30日 サントリーホール

 

2016年5月30日 サントリーホール

 

ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルグフィルハーモニー交響楽団

 

チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35

ショスタコーヴィチ交響曲第5番 ニ短調 op.47

 

指揮:ユーリ・テミルカーノフ
ヴァイオリン:諏訪内晶子

 

 

正直、プログラム見て序曲欲しいなと思いました。

 

結論、必要なかったです。

 

結果、冒頭なのにすでに蛇足でした。      ちょっと解釈難しい。

 

序曲が欲しいと思ったことが蛇足。

 

 

悲しいかな、ムラヴィンスキー指揮では聴けなかったものの、

20年ほど前にこの指揮者とオケのコンビで、チャイコフスキーの5番を聴いている。

 

・・・・・・感想・・・・・可もなく不可もなく

 

解釈に山や谷がなく、少し寂しかった。

 

・・・・ですから、今回の、このプログラム、

 

に、

 

2万円を払う勇気は、いささか躊躇したのを告白する。

 

昨年の、諏訪内さんとフィンランド放送響とのシベリウスの名演が、心に残り、

今回チャイコフスキーでまたあの感動が味わえたらというのが本心。

 

ショスタコーヴィチの5番は、おまけ。

 

今回残念なことに、テレビの収録も本格的な音源の収録もなかったようだが、

コンチェルトが始まって感じたのは、

聴衆の集中力が肌で感じ取れること。

 

1万オーバーのコンサート会場で感じられることだが、

元を取らなきゃと感じているのか、

はてさて、たかがクラシックコンサートに1万、2万と払える御仁は、

そもそも、礼儀正しのか、

在京オケの時のザワザワ感とは、少し違う気がする。

 

チャイコフスキー冒頭、オケの前奏のなんとも渋い音質。

そして一体感!

 

素晴らしい。

そして独奏が入って、

 

デュナーミクだが、アゴーギクだか知らんが、

ヴァイオリンの序奏から主題に入るその一音。

 

もう、うっとり!!

 

どのソリストも気を遣う、場所だろうが、次元が違うか?

 

千住真理子さんの同曲も聴いたけど、格が違う。

 

宇野功芳が以前、全盛期の諏訪内晶子はホールの磁場を変えた。

と言っていたが、なんとなく、理解できた。

 

 

今回サントリーホールのRB席の前から2番目だったもので、

 

諏訪内晶子さんが、指揮のテミルカーノフを見るたびに、

こっちを見てるような気がして、

 

いや、明らかに自分を見てるような気がして、

 

 

 

まさに、

 

 諏訪内晶子

独り占め!

 

 

指揮者の体が、ヴァイオリンをさえぎってしまって、

ソロの音が、若干直接音になったり、間接音になったりはするものの、

非常にいい席だった。

 

ヴァイオリニストは、体揺らすからどこに座っても同じような状況が

起こりうると考えられる。と思うことにした。

 

1楽章は、曲間ながら拍手が出てもおかしくないような演奏。

2楽章、3楽章は、もう終わっちゃうの???

 

って感じたくらい、

 

この場に、ずっと浸っていたいと思わせた。

 

途中クラリネットの1番奏者のなんとうまいこと。

木管全体的に相当なレベルではあるが、クラリネットの男性、ずば抜けていた。

 

コンチェルトは、ファーストヴァイオリンが13人で6.5型っていうのかな?

コントラバスは、7本。

 

シンフォニーよりは、当然小型なものの、ひとりひとりの体が大きいのか、

舞台がえらく窮屈に見えた。

 

淡い紫のドレスの諏訪内さんは、何度も呼び出され、

拍手の音もひときわ大きく、名演だったことが証明された。

 

いやぁ、夢のような時間でした。

 

 

・・・・オケの状態が非常によろしく、諏訪内さんも弾きやすそうでした。

 

 

ソリストのアンコールがほしかったけど、まぁまぁ、しょうがないでしょう。

 

諏訪内さんオケの人からの評判いいのかなぁ。弾いてて楽しそうでした。

 

きれいで、楽器が上手で、人柄もいい・・・・

 

うーーーん。

 

困った困った。

 

 

 

ショスタコーヴィチの5番は、正攻法の名演でした。

金管が、舞台右はじで、(自分の足元奥に布陣のため)

間接音でしか聞けなかったのは、

少々残念ではあったが、ド迫力の安定した名演でした。

 

出色は、アンコールのエルガーエニグマからの『ニムロッド』

出だしの和音が、無から形成される今まさにその瞬間。

 

なんて書けばいいのか、

 

空気が音に変わる瞬間が、見えた!

 

とでもいうべきか?

 

お国もの2曲の後になぜにエルガーとも思いましたが、

演奏は素晴らしかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいや、よかったよかった。

 

満足満足。

 

 

2015.5.31                     続く