『天地明察』 上・下 冲方丁

素晴らしい。

 

なんと素晴らしい、読後感。

 

ラストもラスト、史実なのかどうか、

 

こんな幸せな終わり方って?

 

心から、うらやましく思いました。

 

それだけ苦労したのでしょう、

それだけ努力したのでしょう、

渋川春海は、幸せに人生を閉じるだけのことをしたのだと思います。

 

渋川春海・・・しぶかわしゅんかい・・・の読み方で記憶してます。

学校の教科書で出てきたか、どこぞの本で読んだか、単なる雑学か、

何をした人かは知りませなんだ。

本書では、しぶかわはるみ。

 

 

天地明察

 

 

ひょぇー、

タイトル最高にかっこいい!!

 

でも何のこと、描いてるか全くわからない。

 

 

天地明察(上) (角川文庫)
 
 

表紙裏の紹介欄には、

 

〇 渋川春海

〇 日本独自の暦を作る

〇 碁打ちの名門の生まれ

〇 算術に生きがい      ・・・・との言葉が

 

ひぇ、ハードル高い。

そもそも、冲方丁先生の名前も存じ上げない。(ごめんなさい)

 

なぜ出会えたかというと、もちろん、本屋大賞大賞受賞作だからです。

 

 

 

正直に、

 

こんな(あえて、こんな)

 

マイナーな題材を扱った小説を、推すとは、

 

本屋さん恐るべし。

 

本が好きだから本屋さんで働くのでしょう。

いろんな本を読むのでしょう。

でもその中からこれって、

これ選ぶって、すごい。

 

逆に云えば、マイナーな要素を、吹き飛ばすほどの作品ってこと。

 

確かに、上下巻560頁を、全くよどむところなく。停滞することなく、

 

読ませる力、

人を虜にして、睡眠不足におとしめる力。

 

もう素晴らしいです。

 

暦のこと、囲碁のこと、算術のこと、

そんなに知らない。

本文中の説明も、理解したんだかどうだか疑わしい。

しかし、それを上手に読ませる手腕も素晴らしい。

 

囲碁、算術、暦・・・等々の説明を、

たとえそのまま、読む側がはしょっても、

 

生き生きした登場人物を、追うだけで、十二分に楽しめる。

 

頑張る人には、応援してくれる人がいる。

努力は、報われる。

一度や二度の失敗で負けない。

 

そんな当たり前のことを、教えてくれます。

 

 

 

 

お天道様は見てるよ。

 

昔よく言われた言葉です。

 

 

まさに、

 

天地明察

 

 

傑作でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、

のぼうの城本屋大賞2位でした。

 

本屋大賞恐るべしですね。

 

歴史小説が苦手な人も、触手が動いたのでしょうか。

100万部オーバーはすごい!

 

 

今年は、年度後半、素敵な歴史小説作家に出会えました。

 

加藤廣先生

 

和田竜先生

 

 

天地明察(下) (角川文庫)
 
 

そして、天地明察冲方丁先生。

 

 

益々の健筆をお祈り申し上げます。

これからも、素敵な作品を読ませてください。

 

 

やはり、歴史小説は良い。

 

 

 

 

2016.12.28                           続く