読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『武田信玄』 風の巻、林の巻、火の巻、山の巻、全4巻 新田次郎

全4巻、三千ページ、新田次郎畢生の傑作。

 

少なくとも、学生の時に読んでおきたかった。

できるなら、歴史が好きになって、早いうちに読んでおきたかった。

 

大東亜戦争を終えて、20余年。

焼け野原が、次第に都会に変貌し

敗戦国という呼称が似合わなくなってきた頃の作品。

 

吉川、山岡、柴田、司馬、山本、池波、海音寺・・・・・順不同

 

こんな人たちとあいみまえて、新田次郎さんは執筆していたんですねぇ。

 

 

若かりし、新田次郎が、懇切丁寧に戦国時代を描ききりました。

もちろん武田信玄とその一派が主人公ですが、その当時がどうであったかの

時代背景が、説教臭くなく、説明過多に陥らずに、

すんなりとしみてきます。

なぜでしょうか?

・・・・淡々としてるからなのでしょうか。

そう、文章は、淡々として、男前。

箇条書きかと思える程の短文表記でもあります。

極力、作者の感情を排して史実をもとに書いているようです。

 

相当の読書好きで、歴史小説好きでないと

読みきれないほどのボリュームですが、

読んでみて、損は無いです。

いやそれは、日本語がおかしい。

損どころか、

 

感動しかありません。

 

男こうあるべき!の教科書です。

 

 

以下、各巻ごとに、読書メーターに書いた文から、

 

武田信玄 風の巻 (文春文庫)

多分、初新田次郎。信玄といえばこれというくらい有名なので、

素晴らしいことこの上ない。

登場人物多くて処理が大変。

地図でもあればもっと理解が深まるのにと巻末の地図見るも、

あまり役に立たない。湖衣姫、里美、三条氏と女性が印象深い。

しかし、誰よりも感情移入できたのは、板垣信方でした。

片腕として末永く働くものと思っていたら、なんと非業の死。

しかも、晴信の腕の中で。本当に悲しくなりました。

新田次郎さんは板垣信方大好きだったんでしょうね。

あとがきに、

昭和40年代、信玄の知名度はまだ低かったとのこと・・・びっくりです。

 

 

武田信玄 林の巻 (文春文庫)

満足満足!

あとがきに、読者から早く川中島を書けと注文があった。

と述べてますが、確かに、新田次郎も何かに取りつかれたような

筆致でグイグイと迫ってきます。

林の巻前半、少し、かったるい感じもしましたが、後半は、一気読みでした。

川中島の戦いが、5回もあったなんて知らなかったので、ちょっと感動。

今回の、巻末の川中島の地図は、非常に参考になって、理解をより深めてくれました。

村上義清というすごい武将も初めて知りました。

2巻目でこんなに盛り上がって、後どうするんだろう。

 

 

武田信玄 火の巻 (文春文庫)

 

火の巻読了。

ますますもって素晴らしい筆の勢い。文豪に失礼を承知で、

この作品を書きながら新田次郎という作家のもつ、物書きとしての

いわば実力がページを追うごとに増していると感じられます。

素晴らしい話が随所にちりばめられていますが、

飯富三郎兵衛兵部が義信逆心の際の一言が心に染みわたる。

『十年、五十年、百年、数百年後に、余の気持を洞察してくれる

御仁があるやもしれない。それでもいいと思ってる』気概のある漢って、

素晴らしい。

感動。

三増峠合戦後の勝頼の焚火の沙汰の際の跡部勝資(かつつぐ)の助言も、

素晴らしい。

 

武田信玄 山の巻 (文春文庫)

 

学生の時に読んでおきたかったです。

もっともっと、早く出会えていたらと後悔しきり。

戦国時代のHowto本として、足軽たちの食事、侍たちの組織、

乱破の組織などがよくわかりました。

意外と知らないで読んでたんですね、勉強になりました。

今まで、信長、秀吉、家康中心の読書でしたが、その他の有名武将たちの小説に

食指を広げることの意義を見出せました。

10日で読み終えてしまいましたが、

最後の方は、もったいないような気がしていました。

大好きな作家と大好きな武将を知ることができました。

感謝!感謝!

 

 

 

 

 

 

新田次郎、ほかの作品も読んでみよう!

 

 

続く                             2017.1.9